2025年12月 1日
みなさまは「ヒートショック」をご存じですか?寒さが強まるこの時期は、急な温度変化で体に負担がかかりやすくなります。今回は冬の寒い時期に起こりやすい「ヒートショック」についてと、予防のポイントについてお伝えします。
ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動など、温度の急な変化が 体に与える影響のことです。原因は、血圧の急激な変化です。冷え込んだ部屋で血管が収縮し、血圧が一気に上昇します。その後、暖かいところで体が温まってくると血管が広がり、急上昇した血圧が下がります。この急激な血圧の変化により、一時的に脳内に血液が回らない貧血状態になります。症状としては、めまいや立ちくらみ、一過性の意識障害を起こすことがあります。また、重症化すると、心臓に負担がかかり、血管が詰まってしまうことで起こる心筋梗塞や脳梗塞につながるリスクが高まります。
このような急激な温度変化は入浴前後で起こることが多く、入浴中に意識を失い、そのまま浴槽内で溺れて亡くなるという不慮の事故が起こる可能性もあります。特に高血圧の人は脳血管疾患による死亡率は冬季に高くなるため、注意が必要です。
ヒートショックは、持病がなくても若者でも起こるおそれがあります。「自分は元気だから大丈夫」と過信せず、「自分にも起こるかもしれない」という予防意識を持ちましょう。
ヒートショックを予防するために「入浴前」「入浴中」「入浴後」にできる 予防ポイントを紹介します。
①脱衣所や浴室を温めておく
暖房器具を使う、浴槽のお湯をかき混ぜて蒸気を立てる、お湯を浴槽にためるときにシャワーを使う等、衣服を脱いでも寒いと感じないくらいに温めておくと安心です。
②十分に水分補給をする
入る前から脱水気味だと、より入浴中に水分が失われたり血圧が低下します。
③食後すぐの入浴や飲酒後、睡眠剤服用後の入浴は避ける
食後や飲酒は一時的に血圧が下がるためその状態での入浴は血圧変動を引き起こします。
①湯舟に入る前に必ずかけ湯を行う
心臓から遠い足先から肩まで、徐々にお湯をかけて体を慣らしましょう。
②お湯の温度は41度、お湯につかる時間は10分まで
長い時間熱いお湯につかると、体温が上昇して意識障害を起こすことがあります。
③浴槽から急に立ち上がらない
入浴中は体に水圧がかかっています。その状態から急に立ち上がると、血圧が急に変動してめまいや立ちくらみを起こす危険があります。
①十分に水分補給をする
入浴中は気づかないうちに水分を失っています。脱水症状を起こさないようコップ1杯程度の水分をとりましょう。
参考:政府広報オンライン・日本気象協会
(健康づくり推進課 田巻 望 2025.12)

新潟県労働衛生医学協会
(新潟ウェルネス)
編集部
健康診断・人間ドック・産業保健活動を通した健康づくり支援事業をもとに、皆様の健康意識を高めるためのお役立ち情報をお届けしています。
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