新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

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2019年3月 7日

健康トピックス

甲状腺の病気について

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甲状腺の病気は、汗が多くて疲れやすい、すぐにイライラする、寒がりになった、肌がカサカサしている、など「体質だから」と済ませてしまうような症状がみられるため、見逃されることも多いようです。しかし、きちんと検査を受けて治療をすれば、支障なく日常生活を送れる病気です。今回は、甲状腺の病気についてご紹介させていただきます。

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甲状腺とは

甲状腺は、首の前側、のどぼとけのすぐ下にあり、蝶が羽を広げて器官を包みこむような形をしています。昆布やわかめなどの海藻類に多く含まれるヨウ素(ヨード)を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌しています。

甲状腺ホルモンの働き

甲状腺ホルモンは、生命を維持するのに必要なエネルギーをつくり、健康に生活するうえで欠かせない役割を果たしています。

  1. 脳の活性化:脳に作用して、その働きを活性化します。
  2. 新陳代謝の促進:全身の細胞の新陳代謝を促し、エネルギーを作ります。
  3. 体温の調節:新陳代謝で得られたエネルギーで、体温調節をします。
  4. 心臓や胃腸の活性化:心臓や胃腸の働きを活性化します。

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甲状腺の異常

甲状腺ホルモンが多い状態(甲状腺機能亢進症、バセドウ氏病など)
新陳代謝が活発になりすぎるため、暑がり、汗かき、食べても痩せる、動悸・息切れ、手が小刻みに震える、イライラ、などの症状が出ることがあります。

甲状腺ホルモンが少ない状態(甲状腺機能低下症、橋本氏病など)
全身の新陳代謝が低下するので、寒がり、あまり食べないのに太る、むくみ、皮膚乾燥、便秘、などの症状のほか、動きが鈍くなる・ボーっとした状態が続く・表情が乏しくなるなどの認知症やうつの症状に似たような症状が出ることがあります。

甲状腺に腫瘍ができた状態(良性、悪性)
良性のものには、甲状腺腺腫、甲状腺のう胞などがあり、悪性のものには、甲状腺がんがあります。多くは、超音波検査で発見されています。

甲状腺ホルモンが多いとき、少ないときの症状

甲状腺ホルモンが多くなったり、少なくなったりした時に現れやすい、主な症状を以下に示します。気になる症状が続くようでしたら、内分泌科や内分泌代謝科に相談しましょう。

甲状腺ホルモンの量

参考:日本甲状腺学会HP、きょうの健康2017年3月号
( 健康づくり推進部 丸山 要子 2019.2)