2025年5月 7日
毎年5月31日は世界保健機構(WHO)が定めた「世界禁煙デー」です。日本では、2020年4月か ら受動喫煙対策として健康増進法の一部が改正され、多くの人が利用する施設等は、原則として屋内禁煙になりました。今回は、受動喫煙の健康に与える影響や、禁煙方法について紹介します。
たばこの煙には、有害物質として認定されているものが200種類以上もあります。これらの中で、健康上有害性の大きいものがタール、ニコチン、一酸化炭素の3つです。
有害物質は、喫煙者が吸う煙(主流煙)より、たばこが燃焼している煙(副流煙)に多く含まれており、受動喫煙で吸い込む煙は「副流煙」です。
一酸化炭素 | ニコチン | タール |
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血液中の酸素が運ばれるのを邪魔するため、息切れ、運動能力の低下、動脈硬化の原因になる。 | 血管を細くし、心拍数の増加や血圧の上昇をもたらす。強い依存性があり、タバコをやめられないもとになる。 | 発がん性物質の塊で、がんの原因となるとともに、肺の機能を低下させる。 |
自分の意思に関わらず、他人が吸うタバコの煙を吸わされてしまうことを受動喫煙といいます。日本では、受動喫煙が要因の疾患で年間1万5千人が死亡していると推計されており、健康への影響は深刻です。タバコを吸っている方は、ご自身の健康や家族の周りの人の健康を守るためにも禁煙に挑戦してみませんか。
自分に合った方法を選ぶことで、より成功しやすくなります。
①医療機関で禁煙治療を受ける
医療機関での禁煙治療や禁煙補助薬を利用すると、ニコチン切れの症状を抑えることができるので比較的楽に、しかも自力に比べて3~4倍禁煙に成功しやすくなることがわかっています。
【おすすめのタイプ】
・禁煙する自信がない人
・過去に禁煙してニコチン切れの症状が強かった人 など
②薬局・薬店でニコチンパッチやニコチンガムを使ってやめる
薬局で市販されている禁煙補助剤を使用することで、ニコチン切れの症状を和らげることができます。使用する際には薬剤師に相談しましょう。
【おすすめのタイプ】
・禁煙する自信が比較的ある人
・忙しくて医療機関を受診できない人 など
※詳しい内容は、下記の呼吸器学会のHPから確認することができます。ご参照ください。
URL:https://www.jrs.or.jp/citizen/nosmoking/think/method.html
参考:日本呼吸器学会HP「禁煙のすすめ」、厚労省HP「喫煙と健康」
(健康づくり推進課 古屋 郷子 2025.5)