新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

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2024年3月 1日

健康トピックス

貧血について

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 応援通信20240300.png病院に行くほどではないけれど、なんとなく体調が悪い、倦怠感がある、肩がこるなどの症状はありませんか?その症状はもしかしたら貧血の症状かもしれません。貧血の中にもいくつか種類がありますが、今回は、日本で一番多いとされている「鉄欠乏性貧血」についてご紹介します。

貧血とは

 貧血とは、赤血球に含まれるヘモグロビンが不足し、体のなかで酸素が足りていない状態です。ヘモグロビンは酸素と結びつくことで、酸素を体のすみずみまで運ぶ重要な役割を果たしています。そのためヘモグロビンが不足すると、体の中の酸素が少なくなり、立ちくらみ、息切れ、めまい、動機などの症状が出ることがあります。これが貧血の症状です。
 健康診断等の採血では、ヘモグロビン(または血色素量)が成人男性で13g/dl未満、成人女性で12g/dl未満の場合に貧血と診断されます。

貧血の症状

・頭痛・めまい・ふらつき・胸痛・動悸
・倦怠感・息切れする・顔色が悪く青白い・無性に氷が食べたくなる・肌が荒れる など

貧血の定義

応援通信20240301.png成人男性:13mg/dl未満
成人女性:12mg/dl未満

 

鉄欠乏性貧血の予防方法

 鉄欠乏性貧血とはその名のとおり、体の中の鉄が不足することで貧血になってしまうことです。主な原因として、食事から摂る鉄が少ない、体から失われる鉄が多くなる(痔、胃潰瘍、子宮筋腫など)ことで体内の鉄が不足していることが挙げられます。

予防方法① 3食きちんと食べ、食事で鉄を多く含む食品を摂ること

予防方法②「体に吸収されやすい鉄」と「体に吸収されにくい鉄」を含む食品を食べること

食品中に含まれる鉄には「体に吸収されやすい鉄」「体に吸収されにくい鉄」があります。「体に吸収されやすい鉄」は肉・魚・卵などの動物性食品に含まれ、「体に吸収されにくい鉄」は野菜・大豆・海藻などの植物性食品に含まれています。「体に吸収されやすい鉄」と「体に吸収されにくい鉄」は両方の食品を組み合わせて食べることが大切です。

体に吸収されやすい鉄の食品応援通信20240302.png

豚レバー(生50g)6.5mg、かつお(生50g)1.0mg、卵(50g)0.8mg、いわしの煮干し(20g)3.6mgなど

体に吸収されにくい鉄の食品応援通信20240303.png

小松菜(生100g)2.8mg(ゆで75g)1.6mg、調整豆乳(200g)2.4mg、青のり(10g)7.7mg、納豆(50g)1.7mgなど

鉄の1日の摂取量の目安
男性は7.5mg、月経のある女性では10.5mg(月経のない女性は6.5mg)が推奨されています。

予防方法③ 鉄の吸収を促進させること

 「体に吸収されにくい鉄」の吸収を促進するために、ビタミンCを多く含む食品(パセリやレモン)を一緒に食べたり、鉄鍋や鉄のフライパンを使用して鉄分補給することもおすすめです。また、加工食品には鉄分の吸収を悪くさせるものもあるため、加工食品やインスタント食品は控えめにしましょう。

※健康診断等で貧血の結果だった方や症状のある方は、
医療機関(内科)を受診し、適切な指導や治療を受けましょう。

参考:へるすあっぷ21 11月号 e-ヘルスネット
(健康づくり推進部 横山 理恵 2024.3)