新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

新着情報

2022年3月 1日

健康トピックス

便秘を予防して健やかな生活を

>>印刷用PDFファイル

応援通信20220300.PNG 腸は、食べ物を消化する消化器官としての働きだけでなく、肥満、免疫、動脈硬化、精神疾患など、全身の健康とも深く関わっている事が最近の研究で明らかになり、腸の重要性が改めて見直されています。今回は、腸を健やかに保ち、便秘を予防・解消する食生活についてお話します。

便秘とは

 便秘とは、便中の水分が乏しく硬くなる、もしくは便の通り道である腸管が狭くなり、排便が困難またはまれな状態をいいます。通常は1日1~2回の排便がありますが、2~3日に1回の排便でも排便状態が普通で本人が苦痛を感じない場合は便秘といいません。しかし、毎日排便があっても便が硬くて量が少なく残便感がある場合や、排便に苦痛を感じる場合は便秘といえます。

応援通信20220301.PNG

 様々な要因により、大腸を動かす筋肉が緩み、大腸の中の便がなかなか運ばれない状態を弛緩性便秘といいます。弛緩性便秘は日本人の常習性便秘の約2/3を占めるといわれています。

弛緩性便秘を予防・解消する食生活のポイント

 応援通信20220302.PNG.jpg便秘を予防・解消するためには、規則正しい日常生活・食事・排便・適度な運動を心がけましょう。栄養・食生活では、以下に示すポイントについてできることから取り入れてみましょう。

①食物繊維を多く含む食品を摂る
 便の量を増やし、大腸内の環境を改善する腸内細菌を増やすことで、排便リズムを回復させます。
応援通信20220303.PNG〈例〉発芽米・玄米・たけのこ・緑黄色野菜・ごぼう・ふき・ひじき・切干大根

②起床後に冷水・冷牛乳を摂る
 胃・大腸の反射を促します。また、水分は便を軟らかくして排便を容易にする働き応援通信20220307.PNGがあります。

③果物を摂る 
 腸内細菌のバランスを整えます。果物の1日目安量は200gです。過剰に摂取すると肥満につながりますので、食べ過ぎには注意しましょう。
応援通信20220304.PNG〈例〉りんご(小)1個、みかん2個、キウイフルーツ2個 など

④豆類・芋類・かぼちゃを摂る
 腸管内で発酵し、ガスを発生させます。
応援通信20220306.PNG応援通信20220305.PNG〈例〉大豆・納豆・じゃがいも・里芋・さつまいも など

⑤食事量を確保する
 高齢者は特に食事量が少ないことで便の材料が足りず、便秘の原因となることがあります。1日3食しっかり食べることが大切です。

 

 これらを心掛けても便秘の悩みが解消されない場合は、「たかが便秘」と甘くみず、症状が悪化する前に、早めに消化器内科や胃腸科を受診するようにしましょう。

参考:一般社団法人日本臨床内科医会、厚生労働省e-ヘルスネット
( 健康づくり推進部 本間 早姫 2022.3)