新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

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2021年12月 1日

健康トピックス

アルコール飲料と上手に付き合う

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 アルコール飲料は、適量を楽しく飲むのであれば、緊張をほぐし、気持ちをリラックスさせ、人間関係をなめらかにするいい面があります。しかし、長期間にわたり多量飲酒を続けると体と心の両面に影響が生じます。
これからクリスマスやお正月など、飲酒の機会が増える時期です。新型コロナウイルス感染症の影響により、家で飲むことが多いと思いますが、外でも家でも適量飲酒を心がけましょう。

今回はアルコールの分解と、心身への影響、それを予防するためのアルコール飲料との上手な付き合い方についてご紹介します。

アルコールと肝臓の働き

 体内に入ったアルコールの大部分は 肝臓で分解・消費されます。肝臓は普段は本来の役割である、胃や小腸で分解された脂肪・タンパク質・糖といった栄養素を、体が利用しやすい形に変える「代謝」を行っています。
しかし、アルコールが入ってくるとその役割を中断し、アルコールの解毒作用を優先させてしまいます。本来の役割を中断する時間が長いと、脂肪や糖の代謝が止まるために内臓に脂肪がつきやすく、脂肪肝等になる可能性があります。

心身への影響

アルコール の摂りすぎ による 代表的な疾患としては、以下のようなものがあります。

  1. 肝機能障害
    飲みすぎにより「肝障害⇨脂肪肝⇨アルコール性肝炎⇨肝硬変・肝臓がん」と進行します。
  2. 高中性脂肪血症
    血液中に脂質が多く存在すると、動脈硬化を促進させるため、心筋梗塞や狭心症、 脳梗塞などの疾患を引き起こす可能性があります。
  3. 高尿酸血症 ・痛風
    アルコール摂取により、 血液中の尿酸量が上昇すると、痛風発作が起こります。
  4. アルコール依存症
    飲酒を続け、耐性・精神依存・身体依存が形成され、飲酒のコントロールができなくなった状態です。アルコール依存症は酔って問題を起こすこととは異なります。

適正飲酒の10か条

【 男性の適量目安(女性は男性の半分)】
ビール 500ml、日本酒 180ml、焼酎 90ml、ワイン 180ml 、ウイスキー 60ml
・・・この中のどれか1種類/日が適量です。

応援通信20211203.PNG

参考:公益社団法人 アルコール健康医学協会
健康づくり推進部 田巻 望 2021.12