新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

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2020年10月12日

健康トピックス

がん予防 食生活を見直しましょう ~がんになるリスクを減らすために~

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 今日、日本人の2人に1人が、一生のうち一度はがんになるというデータがあります。がんは日本人にとって身近な病気です。今回は、日本人を対象とした研究結果から定められた、科学的根拠に基づいた「日本人のためのがん予防法」から、特に食生活についてご紹介します。 これまでの研究から、「塩分のとりすぎ」「野菜や果物をとらない」「熱すぎる飲み物や食べ物をとること」が、がんの原因になることが明らかになっています。この3つのポイントを改善することが、日本人に多い胃がん、食道がんのリスクを低くすることにつながります。

がんになるリスクを減らすポイント

(1)減塩する
塩分摂取量の多い方や漬物や塩辛などの塩分濃度の高い食べ物をとる方は、胃がんのリスクが高いことが報告されています。味の感じ方は慣れが大きく、年をとること、ストレス、服薬などさまざまな原因で、味覚が鈍くなることがあります。特に感覚が鈍くなるのが塩味、次いで甘味と言われています。日常の食生活で舌が濃い味に慣れてしまうと薄い味の食事を味気なく感じてしまいます。しかし、薄味の料理を続けることで舌が慣れ、素材本来の旨みを感じられるようになります。
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(2)果物と野菜をとる
野菜と果物の摂取が少ない方は、がんのリスクが高いと言われていますが、野菜や果物を多くとれば、リスクが低下するかどうかについては、明らかになっていません。
しかし、野菜と果物をとることは、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病の予防につながるので、できるだけ、毎日意識的にとるようにしましょう。
(3)熱い飲み物や食べ物は冷ましてから
飲み物や食べ物を熱いままとると、食道がんと食道炎のリスクが高くなるという報告が多くあります。熱いものは少し冷まし、口の中や食道の粘膜を傷つけないようにしましょう。

すぐに実践できる工夫 ~毎日の食事で心がけましょう~

(1)減塩する

  • 塩鮭や塩辛、漬物等の塩分を多く含む食品は、1回に食べる量を半分にするか、食べる回数を減らす。1回量の目安は、たくあん漬けなら2~3枚、白菜漬けなら小皿に1つ(30g位)。 
  • 汁物や麺類をとることが多い場合、1日1回以下にする。麺類の汁は飲まない。
  • かける調味料は、「かける」から「つける」「料理に1、2滴たらす」に変える。
  • 醤油などのかける調味料はだしで割って使う。
  • おかずの量が多い場合は、個人盛りにしたり、盛る器を小さくしたり、品数を減らす。(味付けは薄くても、量が多ければ塩分量が多くなります。)おかずの1食の目安は、主菜1品(肉や魚、大豆製品等の料理)、副菜2品程度(野菜や海藻等の料理)です。
  • 加工食品や市販食品の利用が多い場合、栄養表示成分を見て塩分相当量を確認する。

(2)野菜を多くとる・果物を毎日とる

  • 野菜は、毎食、中皿1~2杯を目安に食べる。食べる機会がなかった時は、他の2食で補う。
  • キャベツ等の葉物野菜は加熱して「かさ」を減らし食べやすくする。
    (生野菜サラダより、お浸しや煮物にして食べる。)
  • 果物は、毎日、お椀1杯程度を目安にし、バナナ、ミカン、ぶどうなど包丁がなくても食べられる種類にする。果物を朝食の1品にする。

参考:国立がん研究センターがん情報サービス がんを知る301 科学的根拠に基づくがん予防
(健康づくり推進課 長嶋信子 2020.10)