新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

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2017年2月 1日

健康トピックス

痛風の予防

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風に吹かれても痛いという痛風。ある日突然関節などが赤く腫れ上がり、激しい痛み(痛風発作)を起こし、歩行も困難になるほど激烈といいます。
痛風患者の98%は男性で、特に30~50歳代の働き盛りに多い病気です。痛風は発症すると慢性化する可能性があります。予防・慢性化防止のための方法をご紹介いたします。

痛風とは

痛風は、血液中に増えすぎた尿酸が関節にたまることで起こる病気です。尿酸は、プリン体という物質が肝臓で分解されて産生されますが、通常は、血液中の老廃物質として、尿と共に排出されます。尿酸の産生と排出のバランスが崩れた時に高尿酸血症(7.0㎎/dl以上)となり、これが長期にわたると足の親指の付け根などの関節に尿酸の結晶が沈着し、強い炎症と激痛を生じます。下の危険度チェックで5つ以上当てはまる方は日頃から予防が必要です。

痛風の危険度チェック
  • 男性である
  • 30歳以上である
  • 太っている
  • 外食やコンビニ食が多い
  • 食事の時間が不規則
  • アルコール飲料をよく飲む
  • 甘いものが好き
  • ストレスが多い
  • ジュースや清涼飲料水をよく飲む
  • 家族に痛風の人がいる

プリン体の3つの経路

  1. 細胞の新陳代謝
    プリン体の大部分(8~9割)は、細胞が古くなって壊れていくとき、細胞の核酸(遺伝子)が分解されて生じます。
  2. 食品からの摂取
    プリン体は飲食物にも含まれており、残り1~2割は体外からの摂取です。
  3. エネルギー代謝
    筋力トレーニングなどの激しい運動をした際には、エネルギーのもとであるATPという物質の分解が進み、プリン体が生成されます。

尿酸値のコントロールポイント

普段の生活から下記のポイントに注意し、尿酸値を基準値に保つことで、痛風を予防していきましょう。

  1. 肥満を是正する
    肥満では、尿酸の排出が障害されます。肥満の方ほど高尿酸血症の割合が増えます。
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  2. アルコール飲料は控える
    アルコールの分解過程で尿酸が合成され、かつ尿酸の排出が抑制されます。飲酒は適量を守ることが大切です。
    (男性の適量:ビール500ml、日本酒1合。女性の適量は男性の約半分です。)
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  3. プリン体の多い食品に注意
    牛・豚・鳥レバーなどの内臓類、魚の干物類、かつお、まいわし、大正エビなどプリン体の多い食品は多量連続摂取を控えましょう。
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  4. 肉食を控える
    肉食は尿を酸性にし、尿酸の排泄を妨げますので、食べ過ぎに注意しましょう。
  5. ストレス対策
    ストレスが蓄積されると尿酸の合成が促進されますので、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
  6. 野菜・海藻類を充分にとる
    野菜・海藻類は尿をアルカリ性にし、尿酸を排出しやすくします。
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  7. 水分を多めにとる
    尿量を増やすと、尿酸の排出に効果があります。
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  8. 有酸素運動を心がける
    歩行などの有酸素運動は全身の血液循環を良くし、新陳代謝を高め尿酸の排出に効果があります。
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※参考:きょうの健康2016 5月号