検診により死亡率を減少させることができるという証拠がある検査は、マンモグラフィだけですので、マンモグラフィ検査をお勧めします。
海外の先進国はがん年齢に達した人の70%から80%はマンモグラフィ検診を受けています。日本は欧米と比較して2022年の乳がん検診受診率は約47%とにとどまっています。新潟県の乳がん検診受診率は2022年で約51%です。
マンモグラフィ元年である2006年以前は受診率が約15%でしたが、「ピンクリボンキャンペーン」など、普及啓発運動が全国的に展開され始め、マンモグラフィ検査の受診率も上がったと考えられます。
日本の乳がん検診の受診率が低い理由としては、家事・育児で時間がない、費用がかかる、健康状態に自信がある、検診の必要性を感じない、痛みなど検査への不安などの理由が挙げられます。また、検診を受けることへの心理的な抵抗感や、検診の知識不足も影響していると考えられます。
このマンモグラフィ検査も約10〜15%は見落としがあるとされています。超音波検査を乳がん検診として実施する施設もあります。診断機器としては大変実力はあるのですが、検査する医師や技師の技量に左右されるところが大きく、残念ながら死亡率減少効果が不明のため、乳がん検診の検査として国際的には認められていません。
このコーナーで、乳房構成(乳房内の乳腺と脂肪の割合)について図1でお示ししています。乳腺は年齢と共に退化し、だんだん脂肪に置き換わっていくのですが、20〜30歳代の若年者または未出産で50歳を過ぎている人に、絶対ではありませんが乳腺が多く残っていることが言われています。個人差もありますので、同じ年齢でも個々に乳腺の割合は違います。
マンモグラフィ検査で言えば、「B不均一高濃度」「C極めて高濃度」のように乳腺の割合が多い方にもし乳がんがあったとすると、撮影された画像は、乳がんも乳腺も白く写り、「雪の中の白ウサギ」状態となります。つまり、がんが乳腺に隠れてしまうのです。乳腺が多い方は、超音波検査が有効とされていますが、まずは一度、専門の施設でマンモグラフィ検査を受け、それを参考に乳がん検診の個別生涯計画を立ててもらったらいかがでしょう。
図1